将棋・瀬川さん

35歳で夢のプロ入り…瀬川さん、目を真っ赤に


ちょっと古いニュースですが。


なんだかあちこちで瀬川さんの話題が取り上げられていますね。
将棋を良く知らない方も取り上げていて、
その多くが「よかった、おめでとう」と言っておられるのですが
みんな瀬川さんの事情や実力を知っててそう言っているんですかね?


ちょっとこの件について私の感想を書いてみたいと思います。


まず瀬川さんの強さについてなんですが
瀬川さんは確かにプロレベルの強さを持っています。
それは確か。
確かなんですが・・・


プロって言っても実力はピンキリなんですよ。
強い人もいれば弱い人もいる。
瀬川さんがプロ試験で勝った人たちっていうのは
(こんな事を言うのは大変失礼だとは思うのですが)
プロの中では下の方の実力の人たちです。
そもそも試験官にはプロ棋士ではない人
プロ棋士予備軍の人や女流プロの人もいました。


肝心の瀬川さん自身の実力はというと
試験を見る限りプロとしては下の方であると思います。


はっきり言ってしまうと
将棋ファン的には底辺の人間が一人増えてもどうでもいいんですよね。
勝ち上がって上のほうに出てきてくれないと将棋を見る機会も少ないし。


実力だけがプロの魅力ではないとは思いますが
例えばプロ試験の棋譜を見る限り
私には瀬川さんの将棋は楽しめませんでした。
逆に有利な局面でヘタレた手を指したり、
なかなか局面を決めにいけなかったりといった
ダメな点ばかり目に付きました。


第4局も逆転勝ちというと聞こえはいいですけど
普通に負けていた将棋が相手のミスによってひっくり返っただけですからね。
しかも相手はプロの実力がない人だし。


最もこのような感想を抱くのは
私という観戦者に問題があるからなのかもしれませんけれど。


それからこれは本当に大きなお世話なんですけども
瀬川さんにとってプロになれた事は得だったのかなあ?
と思うのです。


今まで瀬川さんはきちんとした名の知れた会社に勤めていたわけですが
プロになった事でおそらく会社は辞めてしまうでしょうから
今までのような給料はもらえなくなります。


プロになれば将棋でお金はもらえますが
おそらくそれは微々たるものでしょう。


将棋のプロはTOPクラスになれば
何千万、億といった収入を手にする事もできますが
下の方の棋士の収入は一般のサラリーマンより少ないです。


おまけに瀬川さんはプロになっても
順位戦という一番大事な棋戦には参加する事はできません。
(一定以上の勝率をあげれば参加はできるようになります)


少なくとも金銭的には物凄く損をしていると思います。*1


ただ、お金だけでモノを考えるのは
かなり偏った考えだとは思いますし、
プロ棋士という職業に魅力があるのは確かだと思います。


だから真田としても
瀬川さんが全て踏まえた上で後悔がないのだったら
「おめでとう」と言ってあげたいと思います。


少なくとも今のままの実力では応援する気は全くありませんけれど。


参考:
幕が降り、次の舞台へ
http://d.hatena.ne.jp/mozuyama/20051107/P20051107SEGAWA


瀬川氏がプロになりたいという件について
http://doublecrown.under.jp/shogi/0170.html

*1:これは瀬川さんがTOPプロになれない前提の話ではあるのですが